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2008年06月に書かれた日誌

2008年06月08日

シネマアートン下北沢が休館になった

西條です。
先日、P-kraftの福島さんから連絡があり、
映画館、シネマアートン下北沢、が休館すると言う事を知った。
その理由は、親会社のアートンの不祥事に拠るものらしく、
おおまかに言うと、とばっちり、でいきなり休館が決まったらしい。
劇場には何の落ち度も無く、閉める必要なんか無いのだ。でも閉めることになってしまった。

福島さんは僕らの気持ちを上手く表現してくれている。
僕らは閉館という言葉ではなく、休館という言葉を使うことにした。

金曜日のレイトショー、福居ショウジン監督の『the hiding -潜伏-』が最後の上映作品となった。
前日の木曜日、支配人さんから電話が入った。
その声は、優しいトーンを保ちながらも、いつもと違い、とても疲れていて、何人もの人に電話をしているんだなとわかる。沢山の人に説明をして、言葉を交わす度に複雑な気持ちになってるんだろうと思ったので、僕は少し理由を聞いてから、「明日行きます」と言って電話を切った。
とりあえず、お礼も、お疲れ様の言葉も、なんか違う気がしたのだ。

金曜日、いつものように超満員で劇場に入れない。
満員御礼。なんでこれで休館になるんだろう。
外で待つ人達の間を縫って、劇場を存続させるための署名をしている人達がいる。
知った顔もチラホラいる、事情を聞き、あまりにも唐突であることのみ現実感を持っている。
一週間以内に決まった休館劇。
スタッフも、観客も、その場にいる誰だってなんの実感も持てていない。だから笑顔も辛い顔も、なんだかわからない顔も。

名画と共に、新しい映画を上映してきたシネマアートン下北沢。
僕にとって、映画と向き合うことを教えてくれると共に、思い出してくれる場所でもある。
木のドアに少しきしむ床と、狭い通路に飾られる無数のチラシ、一見古い映画館、でも椅子は座りやすく、ドリンクホルダーも付いている。通路にいると中の観客への配慮を意識して、自然と声が小さくなる。相まって次第に落ち着き、なんだか気持ちが柔らかくなる。時計の針音が似合う空間であり、映画を観るという事を教えてくれる。ここは、映画がとても似合う場所なのだ。

僕がそんな場所と鑑賞以外で最初に接点を持ったのは、
数年前に試験的だったのかどうかわからないが
「映画館貸します」という題目で、日中の空いた時間に、この映画館を貸してくれるというシステムを活用させてもらった時である。
当時、完成した西條組作品「アスリート」の上映場所を探していた僕は、ネットで見つけて活用させてもらった。自主上映をさせてくれるだけなので、いつもの上映と変わらないのだが、映画館で上映させてもらえるというのはとても刺激的であった。お昼12時くらいの上映だったためか、お客さんの入りがイマイチで、出してくれたコーヒーを赤間さんと飲みながら、少し肩を落としたことを覚えている。でもスタッフの方に、他の自主よりお客さんを意識して作ってますから観易いですね、と言われてちょっと嬉しかった。そんな適当な光景からこの劇場との関係は始まる。

数年後、西條組作品「恋鎖」の売り込みを開始。
いろんな場所に行ったが、単館が乱立する場所での売り込みは、館側もグチばかりでなんだか少し嫌気も差していた。それから再編集をし、TAMAで賞を取り、シネマアートン下北沢に持っていった。どうせ無理だろうと思っていたが、支配人さんは作品の狙いや面白さを理解してくれて、上映しましょうと言ってくれた。
それから僕は今までに無い経験をすることとなる。
一般公開に向かって突き進む一喜一憂な生活。
何も知らなかった僕は、2週間のレイトショーのおかげで凄まじく成長することが出来た。劇場にはあらゆる相談に乗ってもらった。話すとキリが無い。
映画というものが、どれほどの人達の思いと力で支えられているのかを、作品が完成した後に教えてもらった。作品と最後まで向き合う姿勢を教えてもらった。そしていつかここの昼間に上映する作品を監督したい、と思うようになっていった。

もともと映画関係者が作った映画館、10年続いた映画館、引けを取らない個性的な作品を上映してきた映画館、今と昔を繋げる映画館、人が成長出来る場所、訪れる人に「ここ、いいね」と言ってもらえる映画館、愛されている映画館、「うちは面白い作品しか上映しない」と言い切る映画館が、消えてしまう。しかも映画とはまったく無関係な理由のせいで。
そんなバカなことがあるか。

なんとかしようと思う。
僕と同じような経験をこれからの人にもしてもらいたいし、ここは他では見られない映画が公開されている、資本に流されまくっている映画界の中で、ある種の安心を担っている。あんなに印象的な劇場がなくなるなんて、世の中からしてもったいない。
なにができるのかわからないけど、気持ちだけは、なんて青臭いことを言ってられない。
存続というか、これを機に発展を狙って僕も一役買います。結構力あります。腕力は無いけど。

そんなわけで、スタッフがどんな展開を期待しているのかまだ聞けてないし、先日休館したばかりなので、これからのことなんだけれど。気持ち優先じゃなくて、本気で狙っていきたいですね。
そしてその暁には、また僕の映画を売り込みに行きます。
とにかく、この事件を切っ掛けに、映画関係者が最も重要視すべきなのは、映画館なんじゃなかろうかと思った。映画監督というものは、映画館で上映する作品を監督する人、なわけで、映画館が無くなれば、必然的に映画監督なんて肩書きも消滅する。映画も無くなる。だから映画館が無くなるということは、シネマアートンに限らず大事件なのだ。

恩を返す時は、必ず来るものです。とりあえず、みんなで頑張ってみます。ていうか、仲間に入れてください。

2008年06月16日

夏の模様替えフェスタ

西條です。
暑い。暑いっす。
ここ数日、暑いっす。
5月下旬から撮影・編集を請け負っていたアクションPVを納品しました。
先日、荒編チェックの段階で、カットの取捨選択をし、今回は完パケということで。
今年初旬までやっていたパイロット版の作成過程の中で、エンドロールの作成も勉強しましたが、
今回はそのやり方をマネて画像ソフトでロールを作ってみました。スキルが飛躍した感じがする。

時間掛かりましたが、楽しく身のあった仕事、格闘技のPV。
ここ数年、映画におけるアクションは、みな残念なまでにマーシャルアーツから程遠く、
「マッハ」などはいいとして。パンチやキックに重点をおかず、パンチやキックするまで、とか、した後、に気合を入れてる映画が多い。そんな中、パンチやキックそのものに重点を置いていたこのPV。今、まさに、必要とされている気がします。
そんな未来を予感させる仕事が出来たことは良かったが、
納品するDVDがPCによって見られない、という原因不明の症状を煩った。

ビットレートが高すぎたのか、ファイナライズが失敗しているのか、
さっぱり理由がわからないのだが、PCによって観られない、という症状は最後まで理由がわからず、
今現在も原因究明中である。
しかしプレスの会社はDVD-Rではプレスしないだろうから、量産すれば、きっと大丈夫だろう。
また次回も、出来ればよろしくお願い致します。次回は同カメラ3台以上でやりたい。となると、広角も×3必要か、音もどうにかしたいし、照明も付けたいなぁ、なんて。贅沢への憧れは果てしない。

まさに一仕事終えた後、しばらくすると、飲みたくなった。
近場の友人にメール。誰か一緒に飲みませんか?
そんな心の声に呼応してくれたのが西條組作品「Pluto」でお客さんの役を演じてくれた加納さん。
ちょうど役者陣と飲んでるから来なさいという事で。
ほいほい、と待ち合わせ、役者事務所の方々と一緒に飲む。
小一時間ほどで切り上げるつもりだったが、
思い切り5時間ほどお邪魔していた。
しかし皆さんお若い。「25歳です」って言われても、もう10歳近く違うんだもんなあ。。。

その事務所はウサギを飼っていて、飲んでる我々の近くをスタスタと歩いていた。
初めは僕に近寄ってくれないウサギだったが、時間がたつにつれ、触れるようになった。
ひじょーーーーに、かわいい。
いや~、うさぎって、こんなにかわいいもんだったんですね。
時間を忘れてずっと撫でてしまう。
朝、帰る時は土砂降り。傘を貸していただき、帰宅。
すっかりウサギが欲しくなっている。

シネマアートン下北沢が急遽、休館になったことで、
自主上映の形を取らざるをえなくなったオカシネマの上映を見に行く。
天野天街監督の映画を始めてみる。
激烈に面白い。当時の映像マジックを髣髴とさせる手法で、でっち上げる感覚がうまく形になっていた。オーバーハウゼン国際短編映画際グランプリの作品「トワイライツ」はその場のアイデアと綿密な計画性、混沌としたイメージの羅列はむしろポップで、普遍性をドラマチックに面白おかしく描いている。
つまり確信犯的な遊び映画であった。
久々にすごい映画を観た。天野監督は、この混沌パレードをそのまま舞台でもやっているらしい。これは、観たい。
その日も隣の「スズナリ」で上演があったようで、でも僕は予定があり立ち寄ることが出来なかった。Mさんともお茶したかった。

シネマアートンの壁には、模造紙が貼られ、存続、再開を望むメッセージが書き込まれている。
小さい分、監督やゲストともかなり近い距離にいられる空間シネマアートン下北沢。また来ます。

そんな事をしつつ、ロケハンにいった。
人魚の話のロケハンで久々にホトヅカ君に車を出してもらい、なんと羽田の近くへ。
飛行機が見える海が欲しいのだ。
主人公の友達はその昔パイロットを夢見ていた。そんな設定である。
モテない予備校教師と、パイロットを目指していた男、そこへ死んだはずの女が人魚になってやってくる、という設定である。
予算が少なく撮影期間はなるべく短め、ロケ地はなるべく身近で、そんな設定である。

ノートパソコンを買いたいのだが、しばらく出費が続きそうで二の足を踏んでいる。
レンダリングの時間て、手が空いてしまいますからね。

パソコンデスクの下の畳が擦り切れ、ゴザを買った。
原因は椅子。車輪が同じ場所を行き来するらしい。
ゴザのついでに鏡を買った。前に持っていた姿見は、撮影で割ってしまったのだ。
ノンフレームでやけにかっこよく映る鏡。その姿は若干の嘘ですが、気分がいいのさ。
そのついでに部屋の模様替え。
夏ですから、夏使用に変える。迷いに迷った末、窓を一つ、潰すこと決意。
おかげで更に住みやすく、かっこいい部屋になった。
気分が良かったので蚊取り線香を焚いた。

そんなわけで日進月歩で行きたいが、なかなかうまく回っていってない気もする。
う~ん、どうしよう。こんな時、何をすべきかといえば、何かを達成すべきなのだ。
いよいよ夏ですからね。クーラーなんて付けないで、風を探しに行きます。窓潰したからね。

2008年06月23日

突入の梅雨

西條です。
今週一杯雨、の天気予報。晴れるのは火曜くらいで後は雨。
梅雨ですね、雨の季節。何度も書いていますが雨が大嫌いなのでちょっと憂鬱なのさ。
しかし閉じ込められるせいでシナリオも結構進んだ。
しかしなかなか破錠してくれないので困っている。
しかしそれも上手くクリアできそうな気配がしてきた。
そんなこんなで次回作を早く作りたいが、苦しい段階である。

「クライマーズ・ハイ」という映画が今度公開される。
もう何年前になるか、ジャンボ機墜落事故、死者500人以上、それ追った新聞記者の物語。来月公開、原田眞人監督作品。友人が数名出演しており、僕は試写に行く日を選んで、その夜飲もうか、と会うことにしていた。

この日、誰かに会うかもしれないから、とりあえず名刺を作っておこう。
とパソコンを立ち上げ、とある理由で今まで書かなかった情報一つ、名刺に記載し、
新しいデザインで行こうぜ、とすっきりデザインでプリントアウト。
しようと思ったらプリンターが紙詰まりしまくってまったく言う事を聞いてくれない。
ホントいい加減にして欲しい、HP!二度とこのメーカーのものを買うもんか、と心に違いつつ、
なんとか3時間掛かって一枚の名刺をプリントアウト成功。
時間は押している。
友人が出演してくれた僕の映画をDVDにコピーして、小走りに駅へ。
六本木ミッドタウン到着。さらに試写会場に行き着く。が、
すでに満席。入れない。う~ん、、、しょうがない!

と切り替えて
翌日観に行こうと思っていた映画を急遽繰り上げて今から行こう、と。
携帯でネットケンサク。おお、六本木から渋谷までは所要時間はこれくらいで駅から映画館へはこれくらいで着くからこれはいい感じで時間を有効活用出来るぜ。とやはり小走りに駅へ。

渋谷着。
相変わらず渋谷は苦手だ。道が入り組みまくっているので、どこに行けば目的地に着くのかわからなくなる。その歳で何言ってんの?と思う方々。思ってもいいけど面と向かって言わないで下さい。
今回も目的地の映画館を知っているくせに迷う。
なんでこう僕にとって苦手に作られているんだろうこの街は。
まあいい。副都心線が出来たからこれからは散々行ってやろう。
そんなわけで観た映画「靖国」

ちょっと前にかなり話題に成ってましたね。靖国神社についての映画ということで。
靖国神社についても僕は迷う。
初詣にどこに行こうかな、と考える時、靖国神社も必ず思い浮かぶのだが、
ネットでその存在を調べる度に、行けなくなってしまうのだ。どういった態度で行けばいいのか段々わからなくなる。公開前、そんな疑問を「横浜メリー」の中村監督に言った際「そんなひとにこそ、この映画を観て欲しい」と言われていた。
いろんな理由で物議をかもした映画は靖国刀の刀匠と靖国神社を取り巻く人と思想が入り乱れ、混沌としている、戦争の混沌が現在の日本に確かに存在していることを物語っていた。
迷いは解消されることは無かったが、迷う必要は無いのかなとも思えた。
このドキュメンタリーを日本の映画監督が撮れなかったことが少し残念である。ただもう少し時代は進んで若い世代にバトンタッチした時は、自然と作られたかもしれない。日本人にとって靖国神社は目下そんな立ち位置にある気がする。

時間もちょうどよく、それからすぐに新宿に移動。
友人と会う。男ばかり4人で飲む。近況を話しつつ、でもやっぱり一番盛り上がるのは映画の話である。
やっぱりみんな映画が好きだ。平成20年6月に「ワイルド・アット・ハート」の話で盛り上がるというのもいいもんである、いや、どうなんだろう。。。

金曜日、夕方の予定が無くなり、余裕を持ってキネアティックに向かった。
MASAKIさんと飯田さんが作品を上映するらしいので。
メインの作品はアクションモノで若干25歳くらいの方が撮った気合の入った作品。
豪華4本立て。ウチ一本。「シアワセノマンナカ」という作品はとても印象に残った。
MASAKIさんが監督したものなのだが、とっても暗い作品で、こんな感覚も持ち合わせているんだなぁとびっくり。そして「ヒトリモン」シリーズもおそらく3が制作されるであろう、と。
帰宅途中、僕も早く作りたいなとつくづく思ってしまった。

帰りの原宿は深夜で人通りも閑散としている。昔からそうなのだが、こんな時、なぜかシャッターの閉まった店の前に停まっているベンツが気になる。なんか、よくわからないんだがいろいろと想像してしまい、足早になったりする。
渋谷、原宿はやはり若者の街。足が向かないままにおさらばするのは寂しいことだ。ここ数年は足しげく通えれば、と思いました。

そんなわけで
シナリオをセッセコと書いています。やはり作り手は作ってないとイライラが溜まってしまう。
西條組前作「お前に雨は降ってない」撮影から2年が経った。早いね~
雨が嫌いなのは変わらず。一先ず閉じこもろう。でも飲み会があれば行きます。
そして今年も海で遊ぶために今から腹筋します。春雨食べます。
今年も残り半年だ。早いね。早くに西條組HPの新しい名前を決めたいものだ。

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